3Dプリンター作品たち 2020

・ケーブルフック(ロトの紋章+ドラゴンの角)

もともと壁についていたネジを利用し、ネジ頭は玉部分をはめ込んで隠しました。欠点は目の高さにあると危険なこと。

・キッチンフック

粘着式の市販のやつを使っていましたが、ちょっと多めに吊ると重みで落ちてしまうので、家の換気扇プレートに引っ掛ける形で設計しました。

・Amazon Echo用スタンド

猫の通り道を妨げないこと、人の手が当たらないこと、声が無理なく届く位置、の条件に合うよう調整しました。固定は底面のネジの規格だけ調べてネジのみ注文しました。200円くらい。

#3dprintng #ドラクエ #キッチン

3Dプリンター作品 「スマホグリップ」

スマホを持ちやすくする、バンカーリング的なアイテムを3Dプリンタで作りました。前回つくったものはプラスチック(PLA)のみでしたが、時計のバンドを留める「バネ棒」を使って強度を出し薄型化しました。

画像はiPhone 8plusで、一般的な男性の手の大きさなら片手操作で親指が画面全体に届くと思います。

ただし、バネ棒が金属であるため、厚さ関係なく無線充電はできません。

#iphone #バンカーリング #3dprinting #smartphonering

3Dプリンターで作ったもの まとめ1

ジャズベースのサムレスト製作後も、なんやかんやと3Dプリンターで作ったので成果をアップ。

まずは音楽・機材関係のオブジェクトから。

 

1.プレベのサムレスト

プレベはピックガードのネジが良い位置にあるので、それを利用した形。

ネジ穴は、印刷面を荒れさせないために印刷時は描画せず、印刷後ドリルで穴あけした。

演奏感は上々。5弦が不要な本番では、このプレベの出番が増えた。

 

2.ストラップロック

アイディア自体は某社のパクりだが、採寸と設計はイチから行った。

買えば数百円なので、労働力を時給換算すると大赤字である。

フェンダー系には合うが、ギブソン系には穴が大きすぎたので再設計の必要あり。

 

3.ケーブルハンガー

スライム型のフック。水色のフィラメントはスライム型のものを作るためだけに買ったといっても過言ではない。

自宅スタジオの壁はもともと画像のようなネジがむき出しだったため、それを利用する形にした。

これは2代目のデザイン。1代目は調子に乗ってケーブルを何本もかけたら根本から折れてしまったため、根本を強化した。

 

まとめ2

に続く。

3Dプリンター QIDI X-smart 導入記 その3

楽器のパーツ作りのために3Dプリンターを導入する話。 その1その2

・フィンガーレスト印刷
自分のFender Jazz Bass専用のフィンガーレストを3Dプリンターで印刷する。

フィンガーレストの位置は、ジャズベースの2つのピックアップの間を橋渡しする形。フロントPUに親指を乗せると弦が柔らかすぎて、リアに乗せると硬すぎるため、両PUの真ん中くらいに指を置きたい。この親指の位置の好みは、ピッキングのフォームや骨格によって変わると思われる。(ちなみに須藤満氏モデルのベースも、フィンガーレストが両ピックアップの間にネジ止めされているので、この位置が特殊というわけでもない。)

ふたつのパーツを組み合わせて、どんなジャズベースにもフィットする構造を考えてはみたものの、立体が複雑になりすぎるのと耐久性的に問題が出てきそうなので今回は見送った。結構親指を強く押し付けたりもするので、ひとつのパーツでがっちり作る。

サイズは、ピックガードの厚さ、ネックスケール、ピックアップケースのサイズ等々によって変わる。

印刷→微調整→印刷…と繰り返し、完成。

1台目…親指のあたり心地が気に入らずボツ。

2台目…ピックアップカバーにあたる部分が薄すぎて割れたのでボツ。

3台目…ようやく納得のいく出来が完成。

ちなみに1個印刷するのに1時間ほどかかるので、結構な待ち時間になる。印刷の最初の方は念の為うまく運んでいるか確認し、あとは洗濯物を畳んだり録画したTV番組を見たりしながら待つ。

ここまで試行錯誤できるのも、自力3Dプリントの醍醐味であろう。もし工房や外部の3Dプリントサービスを使って外注していたら、かなりの金額がかかっていたに違いない。

のちにMoon5弦ジャズベ(こちらは35インチスケールなのでサイズが全然違う)にも、同じ形のフィンガーレストを作製。

 

・まとめ<1> 印刷物を外すときに使うのはカッター
プラットフォームから印刷物を外すには素手では無理で、何かしら平べったい道具が必要になる。X-smart購入時に付属していた金属製スクレイパーは、ネットの情報では「プラットフォームが傷つくのでカーボン製が良い」と書いてあったため、カーボン製スクレイパーを買ったが、がっつり引っ付いた印刷物はスクレイパーの厚みでは外すことはできなかった。カッターの刃部分を使うと外すことができたので、それ以降カッターばかり使っている。金属製の刃でカリカリやると、プラットフォームが傷つきそうだが、意外と今の所致命的な傷などは付いていない。

・まとめ<2> レベリングの距離
レベリング(プラットフォームとノズルの距離の調整)は、遠すぎると印刷される線が潰れず、プラットフォームへの定着も良くない。逆に近すぎると、線が潰れすぎてしまいガタガタになったり、プラットフォームに食いつきすぎて外す時に苦労したりする。丁度よいレベリング具合は、試行錯誤しつつ感覚を掴むしかない。

・まとめ<3> モデリング、スライス時の注意
PLAフィラメントで印刷したオブジェクトは研磨等で表面を整えるのが難しいため、印刷する時点で「どの面を美しく仕上げたいか」を気にする必要がある。印刷時に下向き、つまりプラットフォームに引っ付く側に来る面が一番印刷面が綺麗になるので、その前提でファイルを作るのが良い。また、丸や四角などシンプルな形の印刷は安定するが、丸の真ん中に穴が空いて欠けていたり、欠けのある「凹」のような形を印刷する場合は、フィラメントを注ぐノズルの動きが「欠け」を避けて動きが不規則になるため、印刷面が荒れやすい。たとえばネジ穴のようなものが必要な場合は、印刷時はひとまず穴を描画せずに、印刷後にドリル等で穴を開けるほうが、仕上がりは綺麗になる。

・まとめ<4> PLA印刷物の厚み
今回のフィンガーレストでは、ピックアップカバーに接する部分が最も薄くなる。最初は1mm厚にしたが、2回目の印刷で割れてしまったので、1.5mmにした。そこからは割れることなく安定している。もちろん形状や力のかかり具合によってはもっと厚みが必要な場合もあるかも。そのほか、いわゆる普通のプレートのようなものを印刷する場合は、いまのところ0.85mmを基本にしている。根拠は印刷の積層ピッチの設定が0.17mmなので、その倍数が良いだろうなあ、という気分的な問題。もちろん分厚いほど頑丈だが、印刷にかかる時間も考えると薄いほうがお手軽に感じる。

3Dプリンター QIDI X-smart 導入記 その2

楽器のパーツ作りのために3Dプリンターを導入する話。その1はこちら。

・購入とテスト
チキンなので、あとで「あれも買っておいたら良かったー!」となるのを避けるため、先駆者のブログなどを参考に、必要になりそうなもの全てを注文した。
購入したもの

  • QIDI X-smart <付属物:USBメモリ(中にマニュアルや動画)、ユーザーガイド、PLAフィラメント赤、予備のプラットフォーム、工具類、交換ノズル、スクレイパー>
  • カーボンスクレイパー … 印刷物をプラットフォームから剥がす用(付属のは金属製でプラットフォームを傷つけそうなので)
  • 3M プラットフォームシート … 印刷物がプラットフォームに貼り付くことで、印刷を安定させるためのもの
  • ドライボックス … フィラメントは湿気に弱いので保存用に
  • デジタルノギス … 目的のものにピッタリのサイズで作るには計測が大事
  • 0.3mm針金 … ノズルが詰まった時の掃除用
  • 無水エタノール … プラットフォーム掃除用
  • ヤスリセット … 印刷物を整える用

X-smart本体の開封。付属フィラメントの色はランダムらしいが、赤だった。所有ベースは4弦も5弦もダコタレッドなので好都合。

開封して衝撃的な事実に気づいた。
コンセントが3極仕様・・・。
2極への変換プラグは持っていたが、気持ち的にアースはとりたい。
3Dプリンタを置く部屋は、エアコン用の高いところにあるコンセントがアース付きだったが、台に置くでもしないと線が届かないところにある。台に載せるのは安定性に影響があるに違いないので避けたい。仕方なく購入当日は電源投入を断念した。
あれだけ綿密に買い忘れアイテムがないように計画したのだが、結局おあずけ状態。
電気屋を探しまわる元気も時間もなかったので、Amazonで3極コンセントの分岐タップと延長コードを注文した。

翌日到着。Amazon早い。
無事電源を確保。

マニュアル冒頭の文。メールサポートは12時間以内に返信するぜ、とのこと。
メーカーの覚悟を感じる。

いざ、テストプリント。
まずは「レベリング」というプラットフォームの高さ調整作業が必要らしい。
薄いシートを使い、手前左右と奥の3箇所のノズル位置で、ノズルとプラットフォームの間の隙間を均一にする。
軽く触るくらいが良いのかな。加減がわからん。

次にフィラメントをロードする。ようするにノズルを熱して、フィラメントが融けて出る状態にする。
ここにひとつ罠があった。付属してきたフィラメントはPLAなのに、ノズルの初期設定温度は220℃になっていた。
PLAの温度としては高すぎるんではないか。どこかで読んでいた前知識から判断し、190℃に変更した。
あとで調べると、220℃でもおそらく問題なさそう、ということがわかった。試してないけど。
ひとまず190℃でフィラメントがツーっと出たのでOKとする。

いよいよプリント実行。
付属USBメモリに最初から入っていたテストファイルがあったが、せっかくなので小さい自作モデルを作ってみた。
Fusion360で作ったボディを、の「メイク」→「3Dプリント」メニューから、拡張子「.stl」のファイルとして書き出す。
このとき「3Dプリントユーティリティに送信」のチェックを外しておく。(プリントユーティリティの選択肢にQidi製のアプリは出てこない)
書き出したstlファイルを、X-smartに付属していた「QidiPrint」というアプリに放り込む。
注意しなくてはいけないのは、QidiPrintに読み込んだとき上面に向かせたい側を、Fusion360では前面に向いた状態で書き出す。
QidiPrintで「Prepare」ボタンを押す(「スライス」という処理らしい)と、拡張子「.gcode」という種類のファイルが出来上がる。
USBメモリが刺さっていれば、自動的にそちらに保存する旨のダイアログが出る。
保存したらUSBメモリのイジェクト(抜く準備)までしてくれる。気が利くアプリだ。

「.gcode」ファイルが保存できたUSBメモリを、X-smart本体に挿して、
「Print」→「.gcode」ファイルを選択、でプリントが始まった。

小さいオブジェクトだったので5分ほどでプリント完了。
1mmの薄さで出したが、思いの外頑丈にできあがった。

自分の頭の中にしかなかった立体が、こうして現物として出力されるのはなかなか感動ものだ。
次はいよいよフィンガーレストをプリントする。

3Dプリンター QIDI X-smart 導入記 その1

・決意
普段よく「ここにこんな形のプラッチックがあったらなあ」と思いながらも、木材や100均で買ったプラスチック製品を無理矢理加工したりしながら騙し騙し乗り越えてきた。
ある日、エレキベースのフィンガーレスト(=サムレスト つまり演奏時に親指を置くところ)を、自分のベース向けに専用設計で作れたら良くね?と思いつき、2018年5月、ついに重たい腰をあげ3Dプリンター導入を決意。
フィンガーレスト以外にも、表札、猫グッズ、リモコン立て、シェイカー(楽器)、スマホケースなどなど、ぼんやりと作るものの構想を練った。

・下調べ
家庭用の3Dプリンターで使われる主な樹脂には、「ABS」「PLA」があるらしい。
それぞれ融ける温度、反りやすさ、後加工のしやすさなどで特徴が異なる。
ABSは出力する際の温度がPLAよりも高く、温度変化で反りやすいので、出力先のプレート(プラットフォーム)を温める機能を使うのが望ましいようだ。この機能を、「ヒートベッド」「ヒーテッドベッド」というらしい。
いろいろな樹脂も試したいので、この機能のない3Dプリンターは選択肢から除いた。
Amazonレビューによると、QIDIというメーカーのものが、中国製でありながらサポートが手厚くて良い、とあった。
日本語のサポートや日本語マニュアルの充実したFlashforgeという会社の製品も魅力的ではあったが、少し高価なのと、英語でもGoogle翻訳に頼ればなんとかなるだろうと考え、QIDIの製品に絞る。
2色での印刷は別にいらない、猫がいるので上面にもカバーが付いているほうが良い、などの条件から「X-smart」という機種に決定。

レビューや動画は圧倒的に「X-ONE」「X-PRO」という機種が多く、「X-smart」に関する情報は少なかったのが少し不安。
また、X-smart本体の見た目と名前があんまり格好よくないのも少しだけ残念ポイントではある。自称スマートの割に見た目がスマートじゃない。でも、重要なのは書き出すオブジェクトの方なので、あまり気にしない。

・モデリングのテスト
今回は、他人の作ったデータを印刷することが目的ではなく、あくまで自分用のオリジナルパーツ製作が目的なので、3Dモデリングなる未知の領域に足を踏み入れる必要がある。2DのCADすらやったことないが大丈夫なんだろうか。
調べると「Fusion 360」というソフトが3Dモデリングには良いらしい。
しかも条件を満たせば無料で使える、とのことなので早速インストールした。
常用しているコンピュータは2017年モデルの MacBook 12inch(Core i7、16Gメモリ)。
メモリは盛ってるとはいえ、どちらかというと非力なマシンなのでちゃんと動くか不安だったが、簡単な立体を作るだけならそこそこキビキビ動きそうな感じだった。ただし複雑な立体になってくると、動きがもっさりしてくる。
Youtubeを参考に、スケッチ、押し出し、ミラー、フィレットなどの概念と操作方法を勉強した。
フェンダージャズベースのピックアップ周辺を計測し、フィットするフィンガーレストのモデルを作成してみた。
ソフトが素晴らしいのとレクチャー情報が豊富なおかげで、全くの初心者だったが何とか希望通りの形を作ることに成功。

こんな素晴らしいソフトを無料で使えるようにしてくれているAutodeskという会社に感謝しかない。しかもmacOSに対応。頭が下がります。

つづきます。